コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社

取材日 2018年1月29日

グループで一斉に導入し、月間約1,000通の請求書をデジタル化。支払データも出力でき、支払業務が簡素化しました。

利用サービス 請求書(受取・発行)
エリア 関東地方
フード
取材日 2018年1月29日

世界中で愛飲されているコカ・コーラの製造・販売を担う、コカ・コーラ ボトラーズジャパン様。国内最大規模の清涼飲料企業として、月に15万通もの請求書を発行されています。統合を繰り返してきた企業ならではの課題の解決と、請求書業務のコスト削減について、財務本部財務サービス部部長の奥村真弘様と債権管理課課長に伺いました。

東西ボトラーの合併で生まれた国内最大規模の清涼飲料メーカー

― まず、業務内容と2018年1月に行った経営統合について教えてください。

財務本部
財務サービス部
部長 奥村真弘様

財務本部 財務サービス部 部長 奥村真弘様(以下、奥村様):弊社はコカ・コーラ社から清涼飲料水の原液を仕入れて、製品化して販売するボトラー(瓶詰会社)です。2018年1月1日付でコカ・コーライーストジャパン株式会社とコカ・コーラウエスト株式会社が統合し、事業会社としてコカ・コーラ ボトラーズジャパンとなりました。これにより、売上高約1兆円と、世界250社以上あるコカ・コーラ社のボトラーの中でも第3位の規模となっています。

ボトラーの統合は経営の合理化を求める世界的な流れで、ヨーロッパでは国を越えて統合しているケースもあります。日本国内でも、かつては最大17社のボトラーがあり、これまでも統廃合を繰り返してきました。

規模も大きく統合まで複雑な段階を経ていますので、経営上は統合しても、社内には各社の独自システムが残っています。そのような状況を改善すべく、基幹業務のすべてのシステムを統合する「Coke One」というプロジェクトが進行しており、請求書業務の改善もその一端です。

― 請求書業務ではどのような課題があったのでしょうか。

奥村様:旧コカ・コーライーストジャパンも、もともと5社が合併してできた会社だったため、請求書についても別々のシステム、フォーマットを使い続けていました。会社名は同じなのに、極端にいえば同じ取引先1社に5種類の請求書を送っている状態でした。まずはシステムを統一し、これを1つにする必要があると感じていました。

また、発行の手間や郵送コストも大きな課題です。弊社の請求書業務は大きく2種類に分かれ、掛売りのお取引先様へ発行する「通常の請求書」と、自動販売機を設置していただいているお取引先様に手数料をお支払いするための「コミッション明細」があります。便宜上まとめて「請求書」としますが、ボトラーズジャパン全体では、月に約15万通の請求書を発行しています。人件費を除いた印刷代、封筒代、郵送費等で月間1,000万円以上の経費がかかっており、業務の効率化を早急に進める必要がありました。

さらに、郵送の場合、コストだけでなく、お客様の手元に届くまでに日数もかかりますし、確実に届いたかどうかも把握できません。

― 効率化するために必要なことは何とお考えですか?

奥村様:必要なのは業務を標準化し、誰にでもできるプロセスにすることです。プロセスが複雑だと手順書を作ることもできず、作業が属人化してしまいます。担当者以外はわからないような業務では、その担当者が休んでしまうと対応できず、お客様にもご迷惑をおかけすることになりかねません。

逆にいえば標準化すれば機械化、自動化が可能です。むしろ、組織の規模が大きくなるほど標準化させ、機械化しないと業務の品質を担保できないと考えています。

請求書発行業務を見直す際に、請求書の印刷から発送までを外部の郵送代行企業へ委託することも検討しました。ですが、弊社は飲料メーカーですから水を利用して商品を製造しており、水資源を守るために植林活動なども行っています。紙を使うということはその木を切るということですから、エコの観点からも紙を使わない=ペーパーレスを進めたいと考えました。

そういった理由から、請求書は電子発行を導入しました。請求書発行システムに『BtoBプラットフォーム 請求書』を選んだのは、すでに多くの企業が導入し、安定して運用されている点と、請求書のフォーマットややり取りの仕組みが標準化されており、弊社の請求書業務も標準化できると判断した点が理由です。

発行側だけでなく、受け取る取引先にもメリットがある請求書のデジタル化

― 請求書のデジタル化システムを自社独自(Coke One)で構築するという選択肢もあったのではないでしょうか?

財務本部
財務サービス部
債権管理課
担当課長
請求書担当

奥村様:デジタル化を検討した時点で自社にデジタル化のソリューションはなく、いちから構築するのは相当な労力を要することが容易に想像できました。また、お客様の個人情報をお預かりするには万全のセキュリティ対策が必要ですが、そういった管理・運用のノウハウも持っていません。自社ですべてやろうとすると、そのためだけに新しくチームを作らなければならず、弊社が求める効率化とは逆行してしまいます。手間とコストを考えると、使用料を払っても専門家に任せたいと思っていました。

『BtoBプラットフォーム 請求書』は、「Coke One」と連携させるためのシステム改修もさほど難しくなく、導入が容易でした。また、請求書のフォーマットが統一されている点や単純にWebで請求書が見られるだけでなく、請求書の明細データをダウンロードすることもできるという点は、取引先様にもメリットになります。自社の経理業務に活用するためにデータがほしいとおっしゃる取引先様もいらっしゃいますので。

― 導入の効果は感じていらっしゃいますか?

奥村様:電子発行に切り替えてから2カ月(取材時点)なので、実際の効果はこれからだと思います。現在は過渡期ですので、オプションの『郵送代行サービス』も併用して、紙で請求書を送りながら電子請求書への移行をご案内しております。現時点でも取引先の20%がWEB上で請求書を見てくださっています。実は、この20%という数字は導入1年半後の目標数値でした。それを2カ月で達成することができ、大きな手ごたえを感じています。

― 実務面での具体的な変化を教えてください。

財務本部
財務サービス部
債権管理課
担当課長
コミッション明細担当

債権管理課課長(請求書担当): 弊社は卸業者を介さない、お得意先様との直接取引がほとんどです。小売店や飲食店、オフィスに自動販売機やコーヒーサーバーなどを設置していただいている企業様など、掛売のお得意先様向けに請求書を発行しています。

発行している請求書は東京エリアだけでも、約6000通です。10人がかりで4日間かけ、印刷し封入、発送する作業を行っていました。現在は、データをアップロードするだけで電子請求書を発行できますので、請求書を何百枚も手で折り込むような作業はなくなりまし。

お客様から「早く金額を知ることができるようになった」「パソコンで見られるなら紙は送らなくていい」という声もあり、今後いっそうペーパーレス化を進めていければと思います。

債権管理課課長(コミッション明細担当):コミッション明細は、弊社の自動販売機を設置していただいているお得意先様へ、契約に基づいた手数料のお支払い金額をお知らせするためにお送りしています。東京エリアで約2万8000通を毎月発行しており、そのほとんどが月末締めです。

システム導入前は、各拠点や子会社も含め40人以上が作業を行い、時間にすると約150時間かけて明細書の発送を行っていました。今はデータのアップロードから発行予約まで、1時間ほどですんでいます。過渡期ということもあり、劇的な効果を感じるのはこれからだと思いますが、「Coke One」と『BtoBプラットフォーム 請求書』の連携が今後もっと進めば、ますます便利になっていくのではないかと期待しています。

15万通の発行にそなえ、順次デジタル化へ移行中

― 今後の取り組みについて教えてください。

奥村様:『BtoBプラットフォーム 請求書』は、まだ東京エリアだけの稼働ですが、今後はボトラーズジャパン全体へ展開し、請求書のデジタル化と業務効率化を加速させていきます。

最終的には月間15万通、年間で180万通の請求書を電子で発行することを目指しますが、このうち75%程度までデジタル化できれば、年間1億円以上のコストダウンが見込めます。

近い将来、経理業務はどんどん機械化、自動化が進むでしょう。これからの経理担当者は、機械化できるところは機械に任せ、逆に機械には任せられないような、たとえば分析や自身のスキルアップといったことに時間を使ってほしいと考えています。

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