野村證券株式会社

取材日 2019年10月18日

紙の請求書は半減、グループ会社間約1万枚の請求書を95%デジタル化。システム導入がプロセス変革の契機になりました。

利用サービス 請求書(受取・発行)
エリア 関東地方
業種 金融・保険
取材日 2019年10月18日

国内最大手の証券会社、野村證券株式会社様。世界30カ国を超えるグローバルネットワークを有する野村グループの中核企業として、コア業務の証券事業を担っています。取引先から受け取る請求書は年間約10万枚。さらにグループ会社間でも約1万枚の請求書が発生していました。電子請求書の導入を変革の契機とし、業務プロセスの改善に着手してから約4年にわたる取り組みを伺いました。

電子請求書で処理コストを半減

― 野村グループ全体の概要と、経費戦略購買部の役割を教えてください。

経費購買戦略部ヴァイス・プレジデント
経費購買戦略部
ヴァイス・プレジデント

経費購買戦略部 アソシエイト(以下、経費購買戦略部AS):当時電子請求書に切り替えていただいた取引先様は、100社ほどでした。現在は400社弱に増え、枚数にすると年間約5万枚、50%近くを電子請求書に切り替えています。

以前に比べ、『BtoBプラットフォーム 請求書』の社会への広がりを感じるようになりました。新規の取引先様では既に導入済みであるとか、当初導入いただけなかった取引様も「その後、導入したので」と、途中から切り替えていただけるケースが増えています。

電子請求書で処理コストを半減

― 野村グループ全体の概要と、経費戦略購買部の役割を教えてください。

経費購買戦略部 ヴァイス・プレジデント(以下、経費購買戦略部VP):野村グループは1925年の創業から90年を超えました。アジアに立脚したグローバル金融サービス・グループとして、国内外のお客様に付加価値の高い商品・サービスを提供しています。持株会社である野村ホールディングス(以下、野村HD)傘下の子会社は約20社です。中核企業の野村證券は国内最大規模の証券会社として、全国に131店舗を展開しています(2019年9月現在)。

野村HDはグループの本部機能も兼ね、主にファイナンス、人事、総務業務を担っています。経費購買戦略部はファイナンスで野村HDと野村證券にまたがる比較的新しい部署です。グループ全体への展開も視野に経費コストの削減、経費ガバナンスの構築に取り組んでおり、電子請求書もそのひとつといえます。

― 2015年に『BtoBプラットフォーム 請求書』をご導入いただき、1年経過したタイミングで効果をお伺いしたことがありました。

経費購買戦略部VP:当時は経費業務企画室として、外部業者・取引先様への経費支払プロセスの効率化に取り組んでいました。従来、請求書の経費計上は全国の支店や本社の部署がそれぞれ行う作業でした。それを国内の事務センターに集約し、さらに人件費の安い大連(中国)でデータ入力するプロセスに変え、年間約10万枚の請求書を処理していました。しかし、各店舗に届いた請求書を集め、スキャンしたデータを大連に送って経費計上する、という一連の工程は多大な時間がかかります。結果的に、発生する処理コストは費用換算すると請求書1枚当たり約1500円以上、全体で数億円にのぼる状態でした。

そこで、『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入して業務プロセスの改善を図りました。本格的な運用開始から半年ほどで、約2.5万枚を電子データ化(電子請求書)しました。国内でのスキャン作業や中国での入力作業は激減し、リードタイムの短縮と数千万円のコスト削減が実現しました。

― 導入から約4年が経ちました。現在の電子請求書の割合はどれくらいですか?

経費購買戦略部 アソシエイト(以下、経費購買戦略部AS):当時電子請求書に切り替えていただいた取引先様は、100社ほどでした。現在は400社弱に増え、枚数にすると年間約5万枚、50%近くを電子請求書に切り替えています。

以前に比べ、『BtoBプラットフォーム 請求書』の社会への広がりを感じるようになりました。新規の取引先様では既に導入済みであるとか、当初導入いただけなかった取引様も「その後、導入したので」と、途中から切り替えていただけるケースが増えています。

経費購買戦略部アソシエイト
経費購買戦略部
アソシエイト

― 取引先の電子請求書への切り替えが、スムーズに進んでいるのですね。

経費購買戦略部AS:電子請求書の発行をお願いする際は、取引先様にとってのメリットもお伝えするようにしています。郵送代が不要になる点や、「送った・届いていない」といったトラブルのない確実な請求書の受け渡しができる点に関心を持っていただく事が多いです。また過去の請求書をクラウド上で検索でき、すぐ見つけられて便利だという声もいただいています。

ただ、ITに馴染みのない取引先様などは、慣れないうちは不備も多く発生します。そのような状態が続くと、取引データを手作業による修正や整形をせずにそのままシステムに取り込めるという発行のメリットが活かせません。受取側である弊社も期待する成果(効率化)を得ることはできません。そこで、全ての取引様が安心してシステムを利用いただけるよう、電話による実際の操作方法などのサポートを、独自に協力会社へ依頼しています。「無料で始められますから、まずログインしてみてください」というところから、双方がwin-winの関係となるよう手厚いフォローを心がけています。

導入は目的ではない。プロセス自体の見直しが業務改善へつながる

― 導入時、グループ会社での請求書の発行・受領の電子データ化にも意欲を示されていました。

経費購買戦略部VP:グループ会社間場合、課題はコスト削減、業務の効率化だけではありません。特に、頻発する財務会計上(内部取引消去)の不備は、連結決算における課題でした。原因は、社内便や郵送での請求書受け渡しによるタイムラグで、照合作業にも時間がとられていました。また、請求書の発行・受領は各社各部室の独自運営で、どこでどれだけの請求書を授受しているのか、本部では把握できない状態でした。

そこでまず、各グループ会社の担当者にすべての請求書の発行・受領情報をヒアリングシートに記入してもらいました。全体像を可視化した結果、グループ会社間で、年間約1万枚の請求書が発生し、請求書の発行・受領に関わっているのは数百人にのぼることが明らかとなったのです。

― グループ内での導入はどのように進めていきましたか?

経費購買戦略部AS:グループ会社には電子データ化の4つの目的を説明しました。1つはさきほど申し上げた連結決算の適正化、2つ目はコストの削減です。3つ目もコスト面ですが、請求書の授受にかかる物流コストの負担も低減させたいと思っていました。4つ目は、企業の社会的責任(CSR)としての環境面への配慮です。資源循環型社会の実現に向けたペーパーレス推進はグループでも目標に掲げており、経費が足を引っ張るわけにはいきません。

部分的に紙が残っては真の効率化も達成できないので、電子請求書への切り替えはスケジュールを立て、野村HDや野村證券をはじめ、発行件数の多いところから段階的に進めました。しかし集約する本部に比べ、ボリュームがさほどでもないグループ会社では、請求書の処理は業務のごく一部です。課題感もなく、なぜ電子請求書への切り替えが必要なのかと、当初は反発の声もありました。「紙と押印に勝る信頼感はない」という意見です。

― そういったご意見には、どのように対応されたのでしょうか。

経費購買戦略部VP:マインド自体を変えるのは一筋縄ではいきません。重要なのは、単純な電子請求書への切り替えではなく、「こんなに楽になるのか」という効果を実感できる業務プロセスそのものの見直しです。つまり、システム導入が目的ではなく、目的は全体の業務改善です。『BtoBプラットフォーム 請求書』を使った業務フローで、長年の習慣だけで続けていたムダな作業工程を減らせました。結果としてグループ間での電子請求書の受け渡しの意識はほぼ根付いたといえます。今は、半年に一度などスポット的に発生する請求書が、費用対効果の観点から残っているだけです。

経費購買戦略部AS:電子請求書の概念自体なかった4年前に対し、今はグループ内で新たな会社が立ち上がる際には、『BtoBプラットフォーム 請求書』の導入が標準です。例えば、経費購買戦略部が声をかける前に、人事部のほうから「新しい会社ができるので電子請求書で受け渡したい」と言われるのです。もはや野村グループのスタンダード・プラットフォームですね。やはり、総務、人事といった請求書の発行や受取の件数が多い部署ほど、メリットを感じているようです。

― 今後の展望をお聞かせください。

経費購買戦略部VP:請求書業務などはそれ自体が個人や会社に付加価値を生むわけではない、いわば非競争エリアです。業界のベストプラクティスが常に反映されるパッケージを導入し、あわせていくほうが業務継続リスクの低減につながると考えています。今は、システムを企業にあわせて複雑なカスタマイズを実施しメンテナンスを重ねるより、業務改善とシステム導入をセットとし業務をシステムにフィットさせていく考え方のほうが主流です。現在、35万社以上の企業が利用している『BtoBプラットフォーム 請求書』には、さらなる広まりを期待しています。

さらに、請求書業務だけでなく、契約から見積、発注、納品まですべてが、別々のシステムや紙を介在させず、ワンプラットフォームでつながれば、より効率化が期待できます。それは不正送金や二重送金の防止といったガバナンスの強化にも繋がります。我々は、今後さらに加速していくデジタル化社会を見据え、効率化と不正の介在しないプラットフォームづくりを今後も目指していきます。

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