カシオ計算機株式会社

取材日:2020年2月12日

グループ会社で異なっていた請求書業務を一本化。 年10万枚発行する請求書のデジタル化を目指します。

利用サービス 請求書(発行)
エリア 関東地方
業種 機械
取材日:2020年2月12日

電卓や腕時計といった身近な製品で世界的に知られるカシオ計算機株式会社様。取引企業も多岐にわたり、毎月約2000通の請求書を発行しています。長年使用していた基幹システムの刷新と同時に請求書の発行をデジタル化。グループ会社で一斉に導入したことで、業務効率が大幅にアップし、コスト削減にもつながったそうです。デジタル化を進めるみなさまに、その取り組みを伺いました。

古い基幹システムから、年間10万枚の請求書を発行

― 時計や電卓、電子辞書など、消費者の身近な製品で抜群の知名度をお持ちですね。

営業本部BPR企画推進部 IT戦略室 リーダー

営業本部 BPR企画推進部 IT戦略室 リーダー(以下、IT戦略室リーダー):世界初の小型純電気式計算機の開発・商品化にはじまった会社設立から60余年が経ちました。電卓や腕時計、電子辞書といったコンシューマ向け製品が知られていますが、電子レジスターやハンディターミナル、プロジェクターといった法人向け製品も取り扱っています。扱う商品によっては、グループ会社も含まれており、取引先様も多岐にわたります。

そのため、請求書の発行は月2000通弱におよびます。取引によっては明細が膨大になるため、枚数でいいますと年間約10万枚を超える量です。

― 『BtoBプラットフォーム 請求書』導入前は、どのような業務フローでしたか?

営業本部BPR企画推進部 IT戦略室 担当者

営業本部 BPR企画推進部 IT戦略室 担当者(以下、IT戦略室担当):家電量販店などは以前からEDIを通じたやりとりでしたが、ほとんどの取引で紙の請求書を印刷、郵送していました。取引先様によっては請求書の必着日にあわせて、事前にFAXやメールで明細を送るといった個別対応をする場合もあります。実は、グループ会社の取引であっても、「請求金額が確定したらすぐに数字がほしい」とのことで同様の対応をしていました。

また一部の取引先様では、先方の専用フォーマットに手書きし押印が必要だったり、弊社のフォーマットでは項目が足りず、詳細な項目を別途エクセルで作成して発送したりといった作業もありました。

情報開発部 基幹業務情報グループ 担当者(以下、開発担当):項目が少ないのは、弊社の基幹システム自体が古いものだったからです。また、グループ会社で異なるシステムを使っておりフォーマットもばらばらだったので、統一を視野にシステムの入れ替えを検討していました。あわせて、取引自体はデータ化されているのに「いつまでも大きなプリンタで毎月1000枚、2000枚と請求書を印刷している時代でもないよね」という社内の声もありました。世間的にも、請求書のデジタル化の広まりを感じており、いくつかのサービスを比較検討したうえで、『BtoBプラットフォーム 請求書』の導入に至ったという経緯があります。

複数の企業からの請求書を、ひとつのIDで受け取り

― 比較されたうえで、決め手となった理由は何だったのでしょうか。

開発担当:大きくは3点、汎用性の高さと、スムーズな切り替え、そして費用面です。特に汎用性の点でいえば、比較検討した中には弊社の希望にあわせた細かいカスタマイズで構築してくれる、オーダーメイドのようなサービスもありました。しかし、あまりに作りこんでしまうと、将来少し変えたいとなった場合、そのたびにベンダー企業に依頼して開発しなおさなければなりません。

それに、弊社側で導入や改修時の状況を知る担当者が異動してしまうと、仕様がまったく把握できず、ブラックボックス化する懸念もありました。将来のシステム改修や拡張も見据えると、『BtoBプラットフォーム 請求書』のように、ある程度枠組みが用意され、基本的な開発を弊社側でコントロールできるほうが良かったのです。カスタムタイプだとそもそも導入まで時間もかかり費用にも反映されますが、『BtoBプラットフォーム 請求書』は短期間で導入でき、費用も抑えられています。

また、データ転送にHULFT8を採用できたので、セキュリティ管理部門からも信頼性の承認を得られました。

IT戦略室担当:発行業務側の視点でいえば、承認フローも弊社のニーズに合っていました。すべての請求書を自動発行してしまうのでなく、一部は発行を保留して最後は人の判断で送信したかったのです。たとえば請求書金額と支払金額の相殺がある場合は別途書類を添付したり、金額によっては翌月に請求をまとめるといった判断が必要なのです。その際、担当ひとりではなく、上長の承認の上で発行しているという履歴が残ることを重要視していました。

― 電子請求書に切り替わると聞いて、率直にどういったイメージを持たれましたか?

IT戦略室リーダー:電子請求書を発行される取引先様も増えていましたので、ついに、うちもかと(笑)。実は、すでに『BtoBプラットフォーム 請求書』をお使いの取引先様も多く、「カシオさんは使わないんですか」とお声がけ頂いたこともあったのです。ただ、切り替えるなら一部ではなく、一斉に導入と考えていました。

開発担当:『BtoBプラットフォーム 請求書』はユーザー数が非常に多いので、取引先様はひとつのIDとパスワードで複数の企業が発行する請求書を受け取ることができます。自分が受け取る立場なら、独自のシステムを使われるより、そのほうがありがたいですよね。

将来的なシステム入れ替えにも対応できるクラウドサービス

― 実際に導入して、取引先はどのような反応でしたか?

IT戦略室担当:導入時は、お問い合わせで電話回線がパンクするかもしれない、半数くらいは紙に戻して言われるかもしれない、と心配でした。実際は思ったほどではなく、切り替えは比較的スムーズでした。やはり、時代の流れとしてデジタル化は受け入れられているのかなという印象です。

IT戦略室リーダー:紙の請求書を送っていたこれまでは、月末に締めてから取引先様の手元に届くまで3~5日ほどかかっていました。それでは遅いという場合にFAXやメールで対応していたのですが、今は最短で2日と短縮し、発行から即日画面上でご確認いただけます。個別対応は減りましたね。

紙の必要な取引先様へはオプションの『郵送代行サービス』(電子請求書を利用されていない取引先様へ、自動で発行・郵送される紙の請求書)で対応しています。郵送代行で発行した請求書には、電子請求書への変更案内が掲載されており、それを見て電子発行へ切り替えてくださるケースも少しずつ増えてきました。想定では、初年度でデジタル化率30%を目標にしていたのですが、蓋をあけてみれば、導入から半年で67%を超えている状況です。

また、グループ会社に一斉導入したことで、切り替えにかかる期間がかなり短縮されたと思います。スポットで発生するような取引以外の、月次請求書は100%『BtoBプラットフォーム 請求書』に切り替えたので、システムの保守管理も一元化できました。維持費用も、郵送にかかっていた費用をふくめ全体の60%が削減でき、以前の40%程度になりました。

― 今後の展望をお聞かせください。

開発担当:これまでは、請求書発行などの主要業務機能は基幹システムの中に作り込んで対応することが多く、作れば作るほど、周期的なシステム切替えの際の足かせになるケースがありました。今回、請求書機能を基幹から切り離しクラウド化することにより、業務システム全体の機能構成が整理され、将来的なシステムの切替えに備えることができたと考えております。

今後、請求書発行だけでなく支払いや見積書など他業務機能についてもデジタル化を進めていけたらと考えています。

ただ、システムを切り替えても、実際に利用してもらわないと利便性を享受できません。引き続き社内調整を進め、インフォマートさんのサポートも受けながら、拡大し続けるデジタル化の機運に対応していきたいです。そうすることで、発行する請求書のデジタル化率も必然的に上がっていくのではないでしょうか。

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